複合免疫細胞療法とは

複合免疫細胞とは

複合免疫細胞とは、
・NK細胞(natural killer cell)
・樹状細胞(dendritic cell:DC)
・樹状細胞活性化キラーTリンパ球(DC activated killer T lymphocyte:DAK)
の3種類の免疫細胞の組み合わせを言います。

NK細胞は、生まれつき(ナチュラル)外敵を殺傷する(キラー)能力を備えているため「ナチュラルキラー(NK)細胞」と呼ばれています。
NK細胞は自らの体内を幅広く行動し、癌細胞やウイルス感染細胞などの異常細胞を発見すると、真っ先に、単独で攻撃を仕掛けます。

樹状細胞(DC)とは、プロフェッショナルな抗原提示細胞と呼ばれています。
「私は異常細胞です」という目印(=抗原)を表出した細胞のみを標的にして、攻撃を仕掛けていく免疫細胞が抗原特異的キラーTリンパ球(CTL)です。
このCTLを作るために、Tリンパ球に“癌”という敵を認識させて、効率よく攻撃するように指令を出す、いわば免疫の司令塔となる免疫細胞が樹状細胞(DC)です。

樹状細胞活性化キラーTリンパ球(DAK)とは、癌の特徴である癌抗原を把握した樹状細胞(DC)にTリンパ球を反応させ、癌細胞を認識して直接に攻撃できる抗原特異的キラーTリンパ球(CTL)のことをいいます。

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複合免疫細胞療法とは

最終的には、直接的に癌細胞を攻撃する免疫細胞は主としてNK細胞と抗原特異的キラーTリンパ球(CTL)です。
当クリニックでは、科学的な理論や根拠に裏付けられた研究に基づいてこれまで高度活性化NK細胞療法を実施してきました。
培養施設での免疫細胞の更なる研究、臨床医学応用を推し進めていった結果、樹状細胞(DC)を用いて誘導した抗原特異的キラーTリンパ球(CTL)の増殖・培養方法を確立致しました。

これまで実施してきた高度活性化NK細胞療法を軸として、生体内で抗原特異的キラーTリンパ球(CTL)を誘導する樹状細胞療法と、生体外で誘導した抗原特異的キラーTリンパ球(CTL)を体内に戻すことにより癌細胞を攻撃するDAK療法(樹状細胞活性化キラーTリンパ球療法)を組み合わせた複合免疫細胞療法で、副作用の心配のない体にやさしい癌治療はもちろんのこと、より効果の期待のできる免疫細胞療法を実施しています。

複合免疫細胞療法を説明しますと、血液成分分離装置を用いて約1時間程成分採血(アフェレーシス)を実施して、治療に必要な充分量のリンパ球と単球を採取します。

約1週間の期間で、単球から未熟樹状細胞へ分化させ、様々な癌抗原のカクテルを使用して、成熟樹状細胞へと分化・誘導します。
癌細胞の特徴である癌抗原を把握した成熟樹状細胞を治療対象としている癌のリンパ節や皮内に注射します。
注射後、リンパ節まで到達した成熟樹状細胞が、リンパ節でTリンパ球を抗原特異的キラーTリンパ球(CTL)へと誘導させます。

また、リンパ球からNK細胞の選択的活性・増殖を行い、高純度・高活性のNK細胞を最終的には2〜3週間の培養期間で、数百〜数千倍に増殖させ、患者様の体内へ点滴で戻します。
(培養後のNK細胞の量は約10億個となります。約10億個のNK細胞というのは通常の健康な人が持っているNK細胞の量の約10倍です。尚、NK細胞の数値は目安であり培養期間や患者様の容態によって異なります。)

同時に、リンパ球から分離させたTリンパ球を増殖させつつ、癌細胞の特徴である癌抗原を把握した成熟樹状細胞によってTリンパ球を活性化しながらキラーTリンパ球(CTL)へと誘導させ、患者様の体内へ点滴で戻します。

複合免疫細胞療法

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複合免疫細胞療法の特徴

ここで、複合免疫細胞療法の特徴を確認してみましょう。

一度の採血で3種類の免疫細胞療法を受けられます。
1回に成分採血した白血球から、3種類の異なる免疫細胞を最新の培養技術で培養して、3種類の免疫細胞療法を実施することが可能です。
副作用の心配がほとんどありません。
自分の血液から採取したNK細胞を培養、活性化するため、拒否反応やアレルギー反応の心配がありません。副作用の心配がほとんどない体にやさしい治療と言えます。
※副作用としては、稀に投与後、発熱することがあります。免疫力が高まっている過程での発熱ですので心配はありません。発熱は個人差にもよりますが、1日程度で治まります。
無理のない継続治療が可能で、生活の質(QOL)を高く維持できます。
例えば、抗ガン剤治療の場合、治療による強い副作用により、長期入院を余儀なくされることがありますが、複合免疫細胞療法は身体的、精神的負担がほとんどなく、通院による治療が可能となるため、現在の生活リズムを変更することなく、治療することが可能となります。
よって、生活の質(QOL)を高く維持することができます。
相乗効果や副作用の軽減が期待されます。
化学療法などの標準治療との併用が可能であるため、相乗的な効果や副作用の軽減が期待できます。

さて、複合免疫細胞療法について、ご理解頂けましたでしょうか。
もちろん、どんな症状な人でも必ず効く、そんな魔法のような治療法ではありません。
患者様の容態によっては残念ながらお役に立てないケースもあります。
それでも、副作用がほとんどなく、生活の質(QOL)を高く維持しながら治療できる癌(がん)の新しい治療法として、非常に注目を集めております。

初診のご予約、治療内容についてのお問合せ、質問等がございましたら、お気軽にお問合せ下さい。

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複合免疫細胞療法に関するご説明のまとめ
1度の成分採血で、3種類の異なる免疫細胞を最新の培養技術で培養して、3種類の免疫細胞療法を受けることが可能。
  • 高度活性化NK細胞療法
  • 樹状細胞療法
  • DAK療法(樹状細胞活性化キラーTリンパ球療法)
複合免疫細胞療法は、副作用がほとんどなく、QOL(生活の質)を高く維持しながら受けることが出来る画期的な治療法。
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